======================================== = This is an extract of the text of the scenario. = = This is for translation. = = Copyright not waived. = = Use for anything other than personal enjoyment is prohibited. = ======================================== # それはひょんな事から始まった。 #??? 「お兄さん……良い身体してるね」 #北山 「え?…………はぁ、……どうも」 # 久しぶりの銭湯で汗を流してすっきりした気分でいた。 汗が引くまで少しベンチで涼もうかと思っていたところでいきなり知らない男に声を掛けられた。 何かの勧誘なのか、それともただの気まぐれの世間話に付き合わされるのか。 折角気分が良いところだったのに、見ず知らずの男に声を掛けられたので少しムッとしていた。 # 俺の名前は北山誠司。31歳。 親なし、金なし、彼女無し……の三拍子そろったクソみたいな人生を過ごしている。 # 両親は去年交通事故で二人そろって亡くなった。 元々駆け落ち同然で結婚した両親だったので、親戚はおろか祖父母の顔すら知らずに育った。 そのため両親が亡くなった時も親戚に知らせようにも連絡先すら分からない。 一人っ子だった俺はこの事故のせいで肉親と呼べる者が居なくなってしまったのだ。 # そして両親が死んでから発覚した借金。 実家を抵当に入れていたので、俺はそれまで住んでいた家を追い出されてしまった。 今まで実家に甘えるように適当な仕事にしか就いてなかった俺は当然ながら生活に困ってしまう。 仕方なく格安のアパートを借りた。 日雇いのアルバイトをしながらなんとか就職活動をしていたのだが…… こんな30過ぎの経験の無いおっさんを雇ってくれる所があるはずもなく。 ”その日食べるのがやっと”といった生活をしばらく送っていた。 しかしその日雇いバイトもついに仕事が無くなり、とうとう今月中にアパートを出る事になってしまったのだ。 行くあてもない。 たぶん俺はこのままホームレスになってしまうのだろう。 せめて最後くらいはゆっくり風呂に入りたいな……そう思ってやって来た銭湯だった。 #??? 「お兄さん何かスポーツでもしてた?」 #北山 「…………昔、……ラグビーを少しだけ……」 #??? 「へぇ!そうなんだ」 # 銭湯の脱衣所で気さくに声をかけてきた男。 俺に『身体が良い』なんて言ってきたが、コイツの方がよっぽど良い身体をしている。 モデルのような高身長。おまけに身体も均整の取れたマッチョで行き交う人が皆その身体に目を止めていた。 対して俺なんか腹に肉がついてる典型的な中年男性のゆるい体型だ。 身体に多少の自信があったのは大昔の話だった。 背だって平均よりも低い部類に入るし、この低い身長のせいで彼女も出来ないと思い込んでいた。 そして、このコンプレックスが原因で人前に出なくなって以降、半分引きこもりみたいな生活を今まで送ってきた。 #??? 「仕事で鍛えてる系なのかな?土建とかそういう系??」 # 体育会系の陽キャによくいる”ズケズケと人のプライベート領域に踏み込んでくる”奴。 普段ならこんな男の会話なんて無視するだけなのに、仕事のアテもなく自暴自棄になっていたのだろうか…… それとも見ず知らずの人間だったからなのか、この男に自分の身の上をペラペラと喋ってしまった。 #??? 「なるほどなぁ……それは大変だったね」 #??? 「じゃあ、……ウチで働いてみる?」 #北山 「………………は?」 #吉田 「荷物はこれだけ?」 #北山 「……はい」 #吉田 「本当に何もないんだね」「でもこれだけじゃ困るだろうから最低限必要なモノを揃えておくよ」 #北山 「何から何まですみません」 # 銭湯で声をかけられた男に『働かないか』と言われ、二つ返事ではいと答えた。 声を掛けてきた吉田という男はケタケタと笑い『今のご時世、闇バイトとかだったらどうするの?』と聞かれ 闇バイトでも金が手に入るならいいと答えると吉田は真剣な顔つきで『奢るからちょっとそこのファミレスで話そうか』と言ってきた。 #吉田 「いいよ、気にしないで」 #吉田 「うちの社員になったんだし」 #吉田 「その分しっかり働いて貰うから!ね!!」 # 吉田はニカッと白い歯を見せ笑った。 # あの日、銭湯を出た俺たちは近くのファミレスに行った。 #吉田 「俺、吉田って言います」 # そう言いながら彼は名刺を渡してきた。 #北山 「PB……カンパニー?」 #吉田 「ようは風俗店を経営しているんだけど、えーっとお兄さん……名前は?」 #北山 「北山です」 #吉田 「北山さん、風俗とか行った事ある?」 #北山 「いや、無いです」 #吉田 「そっか……、えーっとちなみに性対象はどっち?」 #北山 「どっち……って」 #吉田 「男か女、どっちに興奮するのかって話だよ」 #北山 「女……ですけど?」 #吉田 「OK、じゃあ……例えばの話だけど、もしも男相手にしろって言われて抵抗ない?」 #北山 「普通に抵抗ありますよ。相手が男でしょ?」「そんなの嫌ですよ」 #吉田 「じゃあ、そこにお金が発生するとしたらどう?」 #北山 「お金……ですか…………」 #北山 「程度……にもよりますけど、もし金をくれるのであれば……」 #北山 「痛いの以外だったら……考えるかなぁ……」 #吉田 「それで充分だ」 #北山 「……???」 #吉田 「俺は男性向けの風俗店をやってるオーナーなんだ」 #北山 「……は?男性向け……??って男性向け以外にあるんですか?」 #吉田 「言い方が悪かったね、男性による男性向けの風俗なんだ」 #北山 「だ…男性による…………」 #吉田 「北山さん、さっき闇バイトでもお金くれるんだったら良いって言ってたよね?」 #吉田 「闇バイトよりも全然安全だし高収入なんだけど、うちで働く気ないですか?」 #吉田 「月収はだいたいこれくらいは保証するけど、あとはノルマこなした分は上乗せするよ」 #北山 「………………え!?こ……こんなに貰えるんですか!?」 # 最初は面食らった。 風俗店で働くと言われ、普通にスタッフとして雇われるのかと思っていた。 だが……男相手に風俗で働くだなんて……何かの間違いかなと思った。 ゲイという人たちが居るというのはなんとなく知識で知っていた程度だったが…… 本当にこの世の中にいるんだという驚きと衝撃。 そして、そんな人間相手に自分が働くなんて考えもしなかった……。 大体仮にそういう男相手に俺が働いたところで果たして客が来るかどうかわからない。 そもそもこんな中年のおっさんよりも、もっと若くてかわいい男じゃなきゃダメなんじゃないだろうか。 しかし吉田はこういうがっしりした体型が好きな客もいると言っていた。 正直、男相手にどうこうするなんてちょっと生理的に無理かもしれないと思ったが あんなにお金が貰えるなら……と、俺の心はかなりグラついていた。 このまま野垂れ死にする予定だった俺にとって、この際四の五の言ってる場合じゃない。 働いて金が貰えるなら多少のことは我慢しよう。 そう決心して吉田にその場で働くことを伝えた。 #吉田 「ココがウチの店だよ」 #北山 「ここが……店……ですか?」 # 吉田が借りてくれた部屋から徒歩数分の所にある3階建ての単身者向けのマンション。 彼はここが自分の店だと指さした。 一見普通のマンションにしか見えない。 #吉田 「この一棟まるまるそうなんだ」 # 表向きは社宅として登録してあるらしい。 入口の管理室がフロントになっており、指定された部屋の鍵を渡して客は部屋を訪れるというシステムらしい。 #吉田 「この業界、表立って知られたくない人も多いんだ」 #北山 「……」 # こんなマンションをお店の為とはいえ一棟まるまる持っているなんてすごい。 それにこの吉田という男は一見普通の若者に見えるのに会社経営してるなんて……。 一方の俺はこんな歳でホームレス一歩手前だった。 人生がもし違っていたら俺も吉田のようになれていたのだろうか。 #北山 「吉田さんって若そうなのに社長だなんてすごいですね」 #吉田 「あはは、俺もう29歳だしそんなに若くないですよ~」 #吉田 「そういえば北山さんは何歳なんですか?」 #北山 「…………31歳です」 #吉田 「そうなんですね、北山さんの方が俺よりちょっとお兄さんですね」 #吉田 「でもうちの店の中では若い方ですよ」 # やはり吉田が年下だったという事実に胸を痛めつつ建物の中へと入っていった。 #吉田 「あ、ゲンさん。ちょうど良かった」 # 一階のエントランスに大柄な男が立っていた。 #吉田 「彼、北山さん」「話してた新人だよ」 #都筑 「おう、ふーん……なるほどな」 #吉田 「彼、都筑さん。みんなはゲンさんって呼んでるんだ」 #吉田 「彼はこの店で一番長く働いているからわからない事があったら教えてもらうと良いよ」 #北山 「北山です」 #都筑 「巌って名前なんだが皆”ゲン”で通してる」 #都筑 「よろしくな!」 # ゲンと呼ばれていた男は大柄で目線からして180cmは超えていると思う。 太い前腕を組んだ立ち姿は大木のようにどっしりとしていた。 それを見上げるような姿勢の俺は正直言って少々怖気づいていた。 だが彼が笑った時、そのクシャっと広がる笑顔は彼の強靭な体格とは対照的にどこか柔らかく まるで太陽が雲の隙間から顔を覗かせたような暖かさを持っていた。 これは天性の雰囲気なのかはわからないが、その笑顔で俺の不安は幾分か取り払われた気がした。 #吉田 「早速だけどゲンさん、彼に一通り教えてやってくれないかな」 #都筑 「俺は良いが……彼は大丈夫なのか?」 #吉田 「ちゃんと了承済みだよ」 #吉田 「北山さん、大丈夫だよね?」 # 吉田は俺にアイコンタクトを送ってきた。 多分ファミレスで聞いた”男とするのに抵抗がないか”という話なんだと思う。 教える……って、きっと今からそういう事をするんだろうか……。 もうここまで来たんだ。自分にはコレしか無いんだ。 俺はそう言い聞かせるように返事を返した。 #北山 「はい……大丈夫です!」 #吉田 「じゃあゲンさんに接客の事をいろいろと教えてもらってね」 #吉田 「何かあったらまた連絡してください、じゃあ」 # そう言い残して吉田は去っていった。 #都筑 「さてと、話はだいたい聞いているが……」 #都筑 「アンタ、本当に男女問わずそういう事をした経験がない……って事で良いんだな?」 #北山 「……はい、そうです」 # ゲンさんと呼ばれていた男は上から覗き込むようにじっと俺の顔を凝視した。 #都筑 「ま、なんとかなるだろう」 #都筑 「ノンケの童貞って人気高いからな!ガハハ」 #都筑 「習うより慣れろだ!とりあえずアンタを客として俺が接客するからそれで覚えていってくれ」 #北山 「はい、よろしくお願いします」 #都筑 「ハハッ、そんなに固くなるなよ」「まあアソコは固くしてもらわねぇと困るけどな」 # ゲンさんはオヤジギャグを言いながら慣れた手つきでスッと俺の肩に腕を回してきた。 他人に触れられる事なんてもう随分無かったので少しドキっとした。 俺たちはそのまま2階の部屋へと向かった。 #都筑 「さぁどうぞ」 #北山 「……」 #都筑 「ガハハッ、普通の部屋すぎて逆にびっくりだろ?」 # 案内された部屋は普通のマンションの一室だった。 お店というよりもどこかの普通の家に来たような感じ。 #都筑 「もっとラブホみたいな作りかと思うだろ?」 #都筑 「だがこういう普通の家っぽい方が”誰かん家に来た”って感じがして良いんだとよ」 #都筑 「俺としちゃもっとソープみたいにバーンって風呂とベッドがある方が非日常感があって良いと思うんだけどな」 # 確かに自分も風俗店と聞いて想像していたのは風呂がメインのラブホのような感じだろうと思っていた。 ソープランドやラブホテルどっちにも行ったことがないので想像上のイメージなのだが。 こんな普通のマンションの部屋が店だと言われても未だピンとこない。 #都筑 「だから……えーっと、アンタ名前なんだ?」 #北山 「北山ですが……」 #都筑 「そっちじゃない、下の名前だ」 #北山 「誠司です」 #都筑 「せいじ……か」「誠司が自分の家に招き入れたって設定でお客を部屋に入れるんだ」 #北山 「……はぁ」 #都筑 「ま、それがうちの店のコンセプトなんだがそんなのどーだっていい」 #都筑 「ようは抜きに来た客がリラックスできればそれでいい」 #都筑 「それじゃあ実践すっか」 # 都筑は指でこっちに来いと合図すると部屋の真ん中で立つように指示した。 #都筑 「とりあえず下脱がせるぞ」 # そう言って都筑は俺の前にしゃがむとジーンズに手を掛けた。 俺は診察にでも来たような気持ちで都筑にされるがままにした。 #都筑 「ほぉ、太そうだな」 # 都筑の目の前で自分のモノがあらわになる。 さっき会ったばかりのおっさんに何でチンポなんて晒してるのだろうか……と、俺はそれをどこかで冷静に見つめていた。 #都筑 「だいたいの客はここに来た段階で結構勃ってる事が多い」 #都筑 「だからフェラとか相手に言われない限りしなくてもいいんだ」 #都筑 「ま、こういう風に勃ってない場合は色々と勃たせるテクニックがあるが……」 #都筑 「今日は手っ取り早くフェラするぞ」 #都筑 「何事も経験だ。あんたフェラなんて味わった事ないだろ?」 #北山 「は……はい」 #都筑 「とりあえず今日は誠司が客になったつもりでするからな」 #都筑 「身体で覚えろ」 # そう言って都筑はまだ芯の入っていない俺のモノを口へと運んだ。 #北山 「ッ!!?」 # ぬめっとした生暖かい感触が伝わってくる。 分厚い舌先で皮を被った亀頭を露出させ敏感な部分があらわになる。 そこへ間髪入れずに都筑は吸い込むように肉棒をヌルンと口奥へと引き込む。 #北山 「!!!」 # 正直おっさんに舐められて勃つわけがないと思っていたのだが、俺のモノはあっさりと勃起してしまった。 #都筑 「ほう、勃つと随分大きいな」 #都筑 「膨張率が高いってヤツだな」 #都筑 「こういうチンポは舐め甲斐があるぜ」 # 竿の形を確かめるように分厚い舌が敏感になっている部分をなぞる。 あまりの気持ち良さにブルっと身体が震えてしまう。 すると都筑は竿の部分に手を添えると一気にストロークし始めた。 #北山 「!!?」 # グポグポと口端から漏れ出る下品な音が部屋に響き渡る。 俺は今まで味わったことのない快感に膝がガクガクと笑っていた。 #北山 「あッ!……ちょっ!!」 # 下半身がトロけそうとはまさにこの事だろう。 以前オナホを使った事があったが、その何倍も気持ちが良い。 敏感な裏筋を的確に攻められ腰奥から甘い痺れがやってくる。 #北山 「あ゛あ゛ッ!!!」「あ゛ッ!あ゛ッッ!!ま゛ッッッ!!!!」 # いきなり押し寄せるように快感の波が上り詰めてあっという間に俺は射精してしまった。 びゅうびゅうと勢いよく都筑の口内を白いもので満たしていく。 都筑はそれに動じることもなく射精している間も舌腹で裏筋を刺激し続けていた。 #北山 「ん゛ん゛―――ッ!!!!」 # 準備する暇もなく一気に射精感がやってきてしまったのだ。 いきなり射精するとは自分でも思っていなくて突然快楽で頭を殴られたように茫然としてしまった。 あまりの気持ち良さに視界はチカチカと世界が白んでいた……。 #都筑 「ガハハ、いっぱい出したな」 #北山 「す……スミマセン」 # 都筑はティッシュで口を拭っていた。 未だに快感の波がジワジワと身体の中に残っていた。 こんなおっさんのフェラでイカされなんてた信じられないと思っている。 そもそも初フェラがおっさんにされたなんて笑い話にもならないだろう。 だがくやしい事にそんな汚点を上書きする程気持ちが良かったのだ。 #都筑 「どうだ?気持ち良かったか?」 #北山 「は……はい」 #都筑 「本来はフェラだけじゃなくて胸を使ってするのがうちの店のウリなんだがよぉ」 #北山 「胸……?」 #都筑 「ん?なんだ聞いてないのか」 #都筑 「うちは雄っぱいパブって店だぜ」 #北山 「雄っぱい……パブ??」 #都筑 「まぁ今日はもう出しちまったから今賢者モードだろ?」 #都筑 「だから今日はこれくらいでレッスンはお終いだ」 #都筑 「どうだ?やることはこんな感じだ」 #都筑 「わかっただろう?」 #北山 「……はぁ」 #都筑 「研修期間中になんとか客と出来るようにしねぇとな」 #都筑 「次は誠司が俺をイカせられるようにみっちり教えてやるよ。ガハハ!」 #北山 「は……はぁ……」 # 俺はこの店に来た事を少しだけ後悔し始めていた。 # ……続く